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長老が説明してくれた。 「かつて、ラーガウ村とラーザ村に住む我々コホー族には、兄弟で同じ妻を持てるという風習がありました。弟の方は、兄の妻と結婚することが許されていたのです。彼らは1つの家に住み、家計を共にし、子供も共有します。しかし、兄が弟の妻を娶ることはタブーとされ、最も罪深いことだと考えられていました」。
フイン・ティ・フェン夫人には、ロー・バン・ニップさんとその弟の2人の夫がいる。「結婚する時には、夫はニップさん1人だけと考えていましたが、ニップさんの家に帰ると弟がいて、まだ結婚しておらずハンサムで優しかったので、恋に落ちてしまいました。私は夫に、弟とも結婚したいと伝えました。夫も同意してくれたので、家族でお祝いに豚をしめて食べました。普段はニップさんと一緒にいましたが、ニップさんが不在のときは弟と一緒にいました。程なくして私は妊娠し、女の子を出産したのですが、父親がどちらなのかはわかりません」とフェンさん。
子供の父親が誰かわからない
叔父と甥の関係にある男性2人を夫にした女性もいる。ホアン・ティ・セウ夫人は、ホアン・バン・トゥーさんとトゥーさんの甥のホアン・バン・ダウさんの2人と結婚した。トゥーさんとセウさんがいつ結婚したのかはっきり覚えている人はいない。トゥーさんは既に亡くなっており、生きているのはダウさんだけだ。
ポップ長老は教えてくれた。「セウさんはトゥーさんと20年以上にわたり結婚生活を送っていました。その当時、トゥーさんの甥にあたるダウさんは20代で、兵役を終えて頻繁に2人の家を訪ねるようになりました。叔母と甥の関係にある2人は何度か会ううちに愛し合うようになり、トゥーさんに結婚の許可をもらったのです」。