ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

5か国語を操る88歳の老婆、サイゴンの路上で飲み物を売って38年

2016/05/01 05:02 JST配信
(C) thanhnien, Linh San
(C) thanhnien, Linh San

5か国語を操る88歳の老婆

 1928年生まれのチャン・ティ・ディンさんは、ホーチミン市1区のファングーラオ通りとチャンフンダオ通りの交差点にあたる9月23日公園の向かい側の路上で、38年間飲み物を売り続けている。

 ホーチミン市には、人々を驚かせる事実がたくさん隠されている。その1つが、この腰の曲がった88歳のお婆さんが、5か国語を操るということだ。ディンさんの小さなお店の前を通ると、はじめはベトナム語で呼び掛けられ、続いて英語、フランス語、カンボジア語、更には中国語でも話しかけられるので、驚いてしまう。

 ディンさんの飲み物屋は1区の中心部に位置しており、たくさんの外国人観光客が行き来する。複数の言語を知っているということが特別な利点となり、ディンさんのお店には客がたくさん集まった。

外国語習得の方法

 多くの人はディンさんについて、飲み物屋が開店してから38年間、客の大多数を占める外国人に対して日々接客をしながら、見よう見まねでいくつもの外国語を習得することができたのではないかと考えている。

 しかし、実際は違う。飲み物屋を開店する以前、ディンさんは様々な仕事を経験した。そして、それぞれの仕事で外国語が必要だったのだ。

 「私は以前、米国人女性とフランス人女性のために美容の仕事をしていたので、英語とフランス語が必要でした。それから、私の故郷はカンボジアとの国境に近いメコンデルタ地方タイニン省チャウタイン郡のベンソイで、家族がカンボジア人を雇っていたので自然に彼らの言葉を覚えていきました。サイゴンでは、家族でディエンビエンフー通りに暮らしていたので、中国人と商売をすることが多く、それで中国語も覚えました」とディンさんは教えてくれた。

 ディンさんの勤勉さには、多くの人々が感服する。中国語、英語、フランス語、カンボジア語の他に韓国語を勉強したこともあるというが、「韓国語は難し過ぎてマスターできませんでした」とディンさんは笑いながら話してくれた。

語学力を活かして

 その語学力で、ディンさんはお店の近くにいるバイクタクシー、飲み物売り、果物売りの人々と外国人観光客と間の通訳もしている。また、ホーチミン市に慣れていない観光客に道を教える案内役もしている。

 「What do you buy?(何を買いたいの?)」「Coffee, Coca or Water?(コーヒー?コーラ?お水?)」といった接客から、「Fifteen(Fifteen thousand=1万5千VND=約73.1円)」などの会計、「Ben Thanh market over there(ベンタイン市場は向こうだよ)」といった道案内まで、ディンさんにとってはとても簡単な会話だ。

前へ   1   2   次へ
[Linh San, Thanh Nien, 07:00 PM - 19/04/2016, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
人気店のバインミー、ホーチミンから「空飛び」全国各地や世界へ (10:03)

 この1か月ほど、特に3月末に開催された「バインミーフェスティバル」以降、ホーチミン市から全国各地、さらには海外在住のベトナム人に向けた「ハンドキャリー」によるバインミー販売が盛り上がっている。 ...

「世界の空港トップ100」25年版、ベトナム2空港がランクイン (9:19)

 英国航空サービスリサーチ会社のスカイトラックス(Skytrax)が発表した「世界の空港トップ100(The World’s Top 100 Airports)」2025年版で、ベトナムからハノイ市のノイバイ国際空港と南中部沿岸地方ダナン市の...

ベトナム軍事歴史博物館、4月12日から入館料徴収 (8:28)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区にあるベトナム軍事歴史博物館は4月12日(土)から、入館料を徴収する。同博物館は2024年11月1日の開館から無料開放していた。  博物館の開館時間は毎日8時から11時30分までと13時...

200年の歴史を有する毒ヘビ養殖村、高収入も危険と隣り合わせ (6日)

 ハノイ市の北西約50kmに位置する北部紅河デルタ地方ビンフック省ビントゥオン郡ビンソン村は、「ヘビ養殖村」として知られている。この村は、ベトナムの毒ヘビ(コブラ)の一大産地となっている。  高齢者の...

首相、米国の関税対応で締結済みFTAへの配慮を指示 (11日)

 ファム・ミン・チン首相は10日に政府会合を主宰し、米国による相互関税措置への対応として、商工相を団長とするミッション団を11日中に編成するよう指示した。ベトナムと米国は、相互関税問題をめぐり、関税を...

ベトナムのオンライン販売者、AI活用率で東南アジアをリード (11日)

 電子商取引(eコマース=EC)プラットフォームの「ラザダ(Lazada)」の最新レポートによると、東南アジアにおけるEC市場でベトナムは人工知能(AI)の活用が最も進んでいる国であることが明らかになった。AIの活用率...

ベトジェット、AVエアーファイナンスと3億USDの契約 機材拡充 (11日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は9日、米ワシントンD.C.で、米国の金融会社AVエアーファイナンス(AV AirFinance)との間で、3億USD(約440億円)の契約を

故ボー・バン・キエット首相のカム夫人が死去、科学者として活躍 (11日)

 2008年に85歳で死去した故ボー・バン・キエット首相の夫人ファン・ルオン・カム氏が9日早朝に死去した。82歳だった。  カム氏は1943年3月5日に北中部地方トゥアティエン・フエ省(現在のフエ市)で生まれた。...

ペトロベトナム、社名変更で新たな戦略へ (11日)

 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)は、9日付けで社名を正式に変更した。  新社名は以下の通り。 ◇ベトナム語:Tap doan Cong nghiep - Nang luong Quoc gia Viet Nam ◇英語:Vietnam National...

サイゴン動植物園、4月中は1975年と4月30日生まれは入場無料 (11日)

 ホーチミン市1区のサイゴン動植物園は、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)を記念して、1975年生まれ、または4月30日生まれの来場者を4月中に入場無料とすることを発表した。  さらに...

ASEAN、米関税政策に共同対応へ 特別経済大臣会合 (11日)

 米国の関税政策に関する東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別経済大臣会合が10日午前にオンライン形式で開催され、2025年のASEAN議長国であるマレーシアが議長を務めた。ベトナムからはグエン・ホン・ジエン商工相...

「FTAインデックス」発表、ホーチミン14位・ハノイ30位 (11日)

 政府本部で8日午後、全国63省・市における自由貿易協定(FTA)の実施結果を評価する「FTAインデックス2024(FTA Index 2024)」の発表式が開催された。  ホーチミン市は30.46点で14位、ハノイ市は25.54点で30位...

24年の生活費指数、ハノイがトップ維持 ホーチミン3位 (11日)

 統計総局(GSO)がこのほど発表した「空間別生活費指数(Spatial Cost of Living Index=SCOLI)」2024年版によると、全国63省・市で生活費が最も高いのは前年に続きハノイ市となった。  これは、各省・市の物...

玩具大手レゴ、ビンズオン省で東南アジア初の「グリーン工場」開所 (11日)

 デンマークの玩具メーカー大手レゴ(LEGO)は9日、東南部地方ビンズオン省の第3ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP 3)で玩具工場(第1期)の開所式を開催した。  同社にとって東南アジア初の工場で、最も環境...

ソースネクスト、通訳機「ポケトーク」生産拠点をベトナムに新設へ (11日)

 パソコン・スマートフォンソフトウェアおよびハードウェア製品の企画・開発・販売を手掛けるソースネクスト株式会社(東京都港区)は、人工知能(AI)通訳機「ポケトーク」の生産拠点をベトナムに新設する。  ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved