(C) bizlive, ガンさん 写真の拡大 |
酢といえば調味料の扱いで、果実酢を飲み物として飲む習慣がなかったので、多くの人は怪訝な顔をした。「仕入れてくれるとしてもほんの少しで、市場開拓の頃が最も大変な時期でした」とガンさんは振り返る。
ほどなくして、多くの知り合いの手を介してライチ酢はバックザン省から近隣地域に広まり、ハノイ市にも行き着いた。「お客さんからの評判が良く、ドンスアン市場(ハノイ市)のいくつかの店が数十ケースを買ってくれたのです。その時ほどうれしかったことはありません」。
ライチのほかにも、マンゴー、ブドウ、リンゴなども使って酢を試作してみたところ、ルックガン郡の青リンゴが最も成功した。2015年のはじめには、正式にリンゴ酢も商品に加わった。
起業から2年、ガンさんの工場は広さ1000m2以上に及び、平均して1か月あたり1万~1万5千Lの酢を生産している。今では仲介業者を通じてベトナム中のスーパーマーケットや小売店に商品が並び、海外のいくつかの国にも出荷されている。
今はまだ赤字だが、43歳の女社長は、「起業して間もないので利益の問題は後回し」と話す。既にある原料を活用して新商品を作りたい、ということがメインで、現在の方向性に満足していると明かした。
彼女は引き続き生産プロセスを改善し、ガラス瓶入りの高級品の完成度を上げていく計画だ。同時に、年内にも海外市場へ輸出するのに必要な条件を整えていくという。