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午後になると、彼が通りに飛び出す回数は更に増え、老人や視聴覚障害者が道を渡る手助けをする。下校時間になると、彼の修理場には子どもたちが集まってくる。三叉路を渡るときには皆、ティンさんが誘導してくれるのを待っているのだ。
「登下校の時間帯の交通事情は最悪です。車がたくさん行き交い、運転手にゆっくり行ってくれと話しかけるのにも声を張り上げないといけない。家に帰ると足はくたくたで声は枯れ、生姜湯を飲まないといけないような日も多いんです」と彼は言う。2006年、彼はナムフオック町警察に2つの看板を作るよう依頼した。書かれた文字は「注意!子どもとお年寄りに道を譲ろう!」。1つは昼用、1つは夜用だ。看板ができると彼は笛を用意し、それを吹き鳴らしながら、看板を掲げて道を渡る手助けをするようになった。
彼が笛と看板を持つようになってから、誘導を求める人は更に増えた。1年生から8年生までずっとティンさんに誘導をしてもらっていた青年は、「おじさんのお陰で子どもたちも安心して道を渡ることができます。ナムフオック町で、おじさんは唯一無二の皆のヒーローです」と語る。子どもの親たちも、彼に感謝している。お礼を子どもに持って行かせようとする親も多いが、彼は丁重に断っている。