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クアンさんは「3D技術の研究をするために学校を辞めた時点では、ただ家族の美術工芸品をウェブサイトで紹介したいという思いだけでした。その後だんだんこの技術が様々な分野、例えばEコマースや歴史的文化財の保存などにも適用できるとわかってきたのです」と語る。彼は将来、このレプリカデータベースを活用してバーチャル遺跡を作り、それを全世界に広めるという夢を抱いている。
また、これらのレプリカの優れている点について、クアンさんは嬉しそうにこう語る。「レプリカは実際の光と3D環境内の光を使うので、光の当たり方を最適化することができ、細部の形や文様まで見ることを可能にします。最も重要なことは、誰もがいつでもどこででも見ることができるという点です。実際の展覧会と違って空間や時間に制限はありません」
文化財の注釈を付ける作業を手伝っている研究者チャン・ハウ・イエン・テー氏は「彼のプログラムで優れている点は、美物館に所蔵されていないような文化財まで全国の遺跡で収集してきていることです」とクアンさんを高く評価している。見る人は携帯電話やタブレット、パソコンなどの機器を使っていつでもどこででも見ることができるという点は、地方に住む人や教育現場においても非常に有益だ。クアンさんのプログラムは、ベトナムの歴史的文化財を海外に広めるツールでもある。こうしたクアンさんの努力の積み重ねで実現した立体作品の3D化は、ベトナムの文化財の保存と活用にとって大きな一歩となっている。