(C) tuoitre クアンさん |
ハノイ市に住むグエン・チー・クアンさんはわずか17歳ながら、何百点にも上るベトナムの歴史的文化財のレプリカ(複製)のデータベースをウェブサイトで紹介し、注目を集めている。
工芸家の家に生まれたクアンさんは、幼い頃から父親に付いて国内各地の遺跡をめぐりたくさんの美しい文様や古物の型を収集していた。父親から文化財の価値を教わって育った背景から、文化スポーツ観光省が「ベトナム人の伝統や風習にそぐわないシンボル、商品、レプリカなどを使用してはいけない」という法令を出した時、「レプリカを作って多くの人にそれを知ってもらうことがなぜいけないんだろう」と疑問に思ったという。
ベトナム美術博物館が2014年11月に開催した「ベトナムの古代彫刻における獅子の形状」展を見て、クアンさんはこう語る。「このような実際の展覧会は空間的にも時間的にも制限があるので、見に来られない人もたくさんいます。かたや私のレプリカデータベースは、ウェブにアップすれば誰でも好きな時に見ることができます。」
こう考えたクアンさんは、持てる力と時間を注ぎ込んでベトナムの歴史的文化財のレプリカ製作に取り組んだ。彼のウェブサイト<http://vr3d.vn/>には「ベトナムの歴史的文化財」コーナーが設けられ、多数のレプリカが紹介されている。通常の立体作品と異なり、彼のレプリカは隅々まで正確に再現できるよう3Dプリンターを使って作られている。文様が少なく簡単なものでも、製作と手直しを経てウェブサイトに載せるまでに5日はかかるという。