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(C) vnexpress, カオバン店主フォンさん 写真の拡大 |
サイゴンに来たフォンさんは当初、アイスキャンディーの行商で生計を立てたり、土地を借りてバナナを栽培したりしていたが、生活は楽にならなかったため、勝手を知るフォーの屋台を引くことにした。
「通りにフォーの立て看板を出すと、みんな走って食べに来たものさ」とフォンさんは懐かしそうに振り返る。5年間屋台を引いて貯めた金で、1952年にチャンカオバン通りで100m2ほどの店を構えることができた。この通りの名をとって店の名を「カオバン」にした。
ところが、1961年に立ち退かねばならなくなり、マックディンチ通りに店を移した。ベトナム戦争が始まる直前のことだ。「その頃は日に50~60杯は売れたね。客は店の外まで行列を作って、家族総出で働いたよ」。
売上が良くなると店舗の貸主が何かにつけて金を取ろうとしたが、倹約に倹約を重ねて金を貯め、店舗を買取ることができたという。ベトナム戦争中は、米国人による営業妨害も度々あったそうだが、「優先してたらふく食べさせてやるようにしたら、そのうち嫌がらせはなくなったよ」と打ち明けた。