(C) vietnamnet., 井清武弘氏 写真の拡大 |
井清氏は、単にシニアボランティアとして仕事の模範を示すだけでなく、厳格な自己規律と若者顔負けの身体能力においても尊敬を集めている。毎朝5時ちょうどに起床し、心音や歩数を測る計器を持って公園を散歩するのが日課で、クアンニン省にあるイエントゥー山には、旧正月のたびに登り、年に4回登ったこともあるという。
ベトナムでの暮らしが長い井清氏だが、理解ある家族の支えがあって、ここまでやってこれたと語る。「妻の協力がなければ、ベトナムへの貢献を続けることは出来ませんでした。彼女もまたベトナムを愛していて、10回ほど訪れたことがあります。母も子供たちも皆ベトナムが大好きなのです」
井清氏曰く、ベトナムは良い伝統をまだたくさん残しているという。「ベトナムでは私がバスに乗ると、必ず若者が席を譲ってくれ、年配者に敬意を払う習慣が続いています。暮らしは快適ですし、これまでに様々な場所を訪れて各地の風習を見てきました。ベトナム人よりもよく知っているかもしれませんね」と、井清氏は笑いながら語った。
ただ一つ満足できないことといえば、10年近くいるのにベトナム語が上達しないことだという。「勉強するには年を取り過ぎていたのでしょう。また、ベトナム語は発音がとても難しく、いまだに市場に行って値切るぐらいしかできないのです」