ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

越僑高齢者、故郷の老人ホームへの入居を希望

2010/12/12 08:24 JST配信
(C) Dat viet, Suckhoesinhsan
(C) Dat viet, Suckhoesinhsan

 海外で暮らすベトナム人(越僑)のうち、高齢者の数がかなり増えてきている。彼らの多くは、人生の終わりを迎える場所として両親や祖先の墓のある故郷ベトナムへの帰国を希望している。しかし誰もがベトナムで暮らす家を入手できるわけではない。多くの越僑高齢者は、ベトナムの老人ホームに入居することを望んでいる。

 西洋では、高齢になっても子供と同じ家には住まず別に家に住むか、または老人ホームに入るのが普通で、老人ホームも昔から存在する。ベトナムにも老人ホームはあるにはあるが、まだ普及しているとは言い難い。子供が老いた親と一緒に住んで面倒を見ることが、ベトナムの伝統的文化であり、子供としての責任や道徳に適うと世間からもみられているためだ。

 フランス国立科学研究センター元職員のブー・クアン・キン教授は、これまでにベトナムのいくつかの老人ホームを訪問したという。「ブンタウ市(東南部バリア・ブンタウ省)にはホテルを改装した老人ホームがあるが、費用がとても高い。ホーチミン市クチ郡のバートゥオン老人ホームは面積が6.5ヘクタール、部屋が約120室ある。施設やサービスも整っており、生活費もそれほど高くない。ただ、市街地からはかなり離れている」。キン教授が理想的な老人ホームとして挙げる条件は、ホーチミン市、ハノイ市、ニャチャン市(南中部カインホア省)、ブンタウ市などの市街地から5~10キロメートル程度の距離に位置していることだ。

 ベトナムの社会は高齢化の途上にあり、現在は高齢者人口が全体の17%を占めている。近い将来、十分な条件を備えた老人ホームが必要になることは確実だとみられている。ベルギーで20年間建築家として暮らしているファム・ミン・ニュット氏は「同じ考えを持つ人たちと共に、ベトナムに老人ホームを建設したいと願っている。ベトナムの高齢者たちもいずれホームに入ることになるだろう。越僑高齢者たちが力を合わせて、近代的な老人ホームを作れればいいと思う」と話した。

 高級老人ホームの数が増えれば、入居する越僑高齢者の数も増える。キン教授によると、これはベトナム経済にとって利益になるほか、ホームに入居した越僑高齢者を訪問するために家族がベトナムを訪れ、自らの祖国を理解する機会にもなるという。イタリア在住の医師グエン・ヒュー・トン氏も、「病気を患った越僑高齢者は故郷での療養を望んでいる」として、彼らを受け入れる政策の導入を期待していると語った。

[Dat Viet online, 10:47 AM, 07/12/2010, O].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
人気店のバインミー、ホーチミンから「空飛び」全国各地や世界へ (10:03)

 この1か月ほど、特に3月末に開催された「バインミーフェスティバル」以降、ホーチミン市から全国各地、さらには海外在住のベトナム人に向けた「ハンドキャリー」によるバインミー販売が盛り上がっている。 ...

「世界の空港トップ100」25年版、ベトナム2空港がランクイン (9:19)

 英国航空サービスリサーチ会社のスカイトラックス(Skytrax)が発表した「世界の空港トップ100(The World’s Top 100 Airports)」2025年版で、ベトナムからハノイ市のノイバイ国際空港と南中部沿岸地方ダナン市の...

ベトナム軍事歴史博物館、4月12日から入館料徴収 (8:28)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区にあるベトナム軍事歴史博物館は4月12日(土)から、入館料を徴収する。同博物館は2024年11月1日の開館から無料開放していた。  博物館の開館時間は毎日8時から11時30分までと13時...

200年の歴史を有する毒ヘビ養殖村、高収入も危険と隣り合わせ (6日)

 ハノイ市の北西約50kmに位置する北部紅河デルタ地方ビンフック省ビントゥオン郡ビンソン村は、「ヘビ養殖村」として知られている。この村は、ベトナムの毒ヘビ(コブラ)の一大産地となっている。  高齢者の...

首相、米国の関税対応で締結済みFTAへの配慮を指示 (11日)

 ファム・ミン・チン首相は10日に政府会合を主宰し、米国による相互関税措置への対応として、商工相を団長とするミッション団を11日中に編成するよう指示した。ベトナムと米国は、相互関税問題をめぐり、関税を...

ベトナムのオンライン販売者、AI活用率で東南アジアをリード (11日)

 電子商取引(eコマース=EC)プラットフォームの「ラザダ(Lazada)」の最新レポートによると、東南アジアにおけるEC市場でベトナムは人工知能(AI)の活用が最も進んでいる国であることが明らかになった。AIの活用率...

ベトジェット、AVエアーファイナンスと3億USDの契約 機材拡充 (11日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は9日、米ワシントンD.C.で、米国の金融会社AVエアーファイナンス(AV AirFinance)との間で、3億USD(約440億円)の契約を

故ボー・バン・キエット首相のカム夫人が死去、科学者として活躍 (11日)

 2008年に85歳で死去した故ボー・バン・キエット首相の夫人ファン・ルオン・カム氏が9日早朝に死去した。82歳だった。  カム氏は1943年3月5日に北中部地方トゥアティエン・フエ省(現在のフエ市)で生まれた。...

ペトロベトナム、社名変更で新たな戦略へ (11日)

 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)は、9日付けで社名を正式に変更した。  新社名は以下の通り。 ◇ベトナム語:Tap doan Cong nghiep - Nang luong Quoc gia Viet Nam ◇英語:Vietnam National...

サイゴン動植物園、4月中は1975年と4月30日生まれは入場無料 (11日)

 ホーチミン市1区のサイゴン動植物園は、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)を記念して、1975年生まれ、または4月30日生まれの来場者を4月中に入場無料とすることを発表した。  さらに...

ASEAN、米関税政策に共同対応へ 特別経済大臣会合 (11日)

 米国の関税政策に関する東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別経済大臣会合が10日午前にオンライン形式で開催され、2025年のASEAN議長国であるマレーシアが議長を務めた。ベトナムからはグエン・ホン・ジエン商工相...

「FTAインデックス」発表、ホーチミン14位・ハノイ30位 (11日)

 政府本部で8日午後、全国63省・市における自由貿易協定(FTA)の実施結果を評価する「FTAインデックス2024(FTA Index 2024)」の発表式が開催された。  ホーチミン市は30.46点で14位、ハノイ市は25.54点で30位...

24年の生活費指数、ハノイがトップ維持 ホーチミン3位 (11日)

 統計総局(GSO)がこのほど発表した「空間別生活費指数(Spatial Cost of Living Index=SCOLI)」2024年版によると、全国63省・市で生活費が最も高いのは前年に続きハノイ市となった。  これは、各省・市の物...

玩具大手レゴ、ビンズオン省で東南アジア初の「グリーン工場」開所 (11日)

 デンマークの玩具メーカー大手レゴ(LEGO)は9日、東南部地方ビンズオン省の第3ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP 3)で玩具工場(第1期)の開所式を開催した。  同社にとって東南アジア初の工場で、最も環境...

ソースネクスト、通訳機「ポケトーク」生産拠点をベトナムに新設へ (11日)

 パソコン・スマートフォンソフトウェアおよびハードウェア製品の企画・開発・販売を手掛けるソースネクスト株式会社(東京都港区)は、人工知能(AI)通訳機「ポケトーク」の生産拠点をベトナムに新設する。  ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved