英BBCテレビは今年3月、35年ぶりに故郷を訪れたベトナム系英国人女性のドキュメント番組『ベトナムへの帰郷』を放映した。この番組の制作のため撮影クルーは1月中旬、ビクトリア・コーレイ(通称ビッキー)とともにベトナムを訪れた。
ビッキーは1975年4月のベトナム戦争終結以前は孤児として孤児院で暮らしていた。しかし戦争終結が迫ったとき、いわゆる「ベビーリフト作戦」で英紙「ザ・デイリーミラー」が手配した飛行機で他の98人の幼児とともにロンドンに運ばれた。当時彼女は生後18カ月だった。
この番組でビッキーは彼女がベトナムを離れる直前まで暮らしていたラムティーニーセンター(ホーチミン市ビンタイン区。現在は学校)を訪れたほか、孤児・障害児養護施設や有名観光地などを訪れた。
彼女は番組で「私と同じ飛行機で運ばれた98人のベビーリフトたちと会いたい。彼らがどれだけ自分自身のことを理解し、私たちを運んだ運命の飛行機についてどう思っているかを知るために。そのために私は暇さえあればパソコンを開いて、彼らと連絡を取り合っている」と語った。彼女は自分と同じ境遇の「ベビーリフト」たちがこの番組を見て、祖国を訪れるきっかけとなればと願っている。