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- 自宅フィラー注射の14歳少女が緊急搬送
- フィラー注射の29歳女性は左目を失明
- テト期間とテト明けに複数患者を受け入れ
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ハノイ市ベトドク病院のグエン・ホン・ハー医師によると、テト(旧正月)期間中とテト明けに、美容整形目的のフィラー(充填剤)注射で危険な合併症を起こした複数の患者が搬送された。中には失明してしまったケースもあるという。
同市在住の29歳の女性は、額にフィラー注射した後、左目が大きく腫れあがり、病院を受診した。2月4日にベトドク病院に転送された時点で、左目の視力が完全に失われていただけでなく、左眼球が飛び出しており、元の状態に戻すことは極めて困難な状態だった。
女性は記者に対し、知人を自宅に呼んで、美容のため額にフィラー注射したと語った。知人は医者ではなかったとのこと。女性は以前にも、この知人に頬にフィラー注射してもらったことがあり、見た目が美しくなったため、今度は額に注射してもらうことにした。
しかし、今回は注射後すぐに激しい痛みに襲われ、視界がぼやけて左目の視力が失われた。この知人に頼んで病院に連れて行ってもらい、何軒かの病院を回った後、ベトドク病院に転送となった。ハー医師によると、女性は網膜中心動脈閉塞症と診断され、視神経に深刻な損傷を負った。治療後、健康状態は安定したが、左目は完全に失明してしまった。
これに先立つ1月15日には、自宅で鼻にフィラー注射した14歳の少女が、母親に付き添われてベトドク病院を受診した。少女は左目が腫れあがり、視力が低下。額と鼻にはあざができていた。少女はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で広告を見て、フィラー注射による美容整形を知り、安全な処置について何も知らずに自宅で注射した。
注射したときは刺すような痛みがあったが、それが普通だと思い、注射し続けた。その後、めまいや視界のゆがみ、視力の低下を感じたため、家族に連れられてベトドク病院に緊急搬送となった。ハー医師によると、14歳という年齢は自宅でのフィラー注射による合併症で搬送された症例としては自身が遭遇した最年少だという。この少女には、緊急の血管手術が施され、幸いなことに失明は免れた。
ハー医師は、「インターネット上には、美容整形に関する出所不明の説明動画や充填剤が蔓延しており、非常に危険だ。フィラー注射による合併症で緊急搬送されたケースは全て、美容外科の資格を持たない者が施術したことが原因だ」と警鐘を鳴らした。