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- 台湾人観光客292人が島に立ち往生
- ベトナム旅行会社に罰金処分を提案
- ベトナム旅行会社は不服、抗議の構え
台湾の旅行会社とそのパートナーであるベトナムの旅行会社との間の金銭的なトラブルにより、テト(旧正月)に南部メコンデルタ地方キエンザン省フーコック市(島)を訪れた台湾人観光客292人が「見捨てられた」出来事に関し、キエンザン省観光局は15日夜、調査を完了し、調査結果を踏まえ、行政処分としてフーコック島のベトナム・ウィナー・インターナショナル・トラベル(Vietnam Winner International Travel)に3000万VND(約18万3000円)の罰金を科すことを提案した。
調査結果によると、ベトナム・ウィナーは2023年9月12日、台湾の旅行会社ウィー・ラブ・ツアー(We Love Tour)との間で、フーコック島を旅行する台湾人向けのツアー手配に関する契約を締結した。2024年1月18日にデポジットを受け取り、1月24日までに10グループの観光客向けの料金見積書10件をウィー・ラブ・ツアーに送付した。
しかし、両社の間で料金について合意に至らなかったため、ベトナム・ウィナーは1月31日、ウィー・ラブ・ツアー宛てに契約を終了する旨の文書を送付したが、ウィー・ラブ・ツアーは同文書に返答しなかった。デポジットは、ベトナム・ウィナーが保持し続けた。
契約が履行されていないにもかかわらず、台湾人観光客292人は2月9日にフーコック国際空港に到着した。ウィー・ラブ・ツアーはその後、ベトナム・ウィナーに連絡を入れ、10~14日の日程でフーコック島を旅行する台湾人向けのツアー手配の支援を求めた。
これを受け、ベトナム・ウィナーは送迎車やホテルを予約して台湾人観光客の旅行を手配した上で、台湾人観光客に対し、1人につき720USD(約10万8000円)を支払うことを提案した。ウィー・ラブ・ツアーは同額を客に払い戻すことを約束したが、90人は提案に同意し、残りは同意しなかった。
キエンザン省観光局は、ベトナム・ウィナーが規定に従って企業、観光客、観光客の代表者と旅行契約を結んでおらず、旅行サービスの規定違反にあたるとして、罰金処分に値するとした。
これに対し、ベトナム・ウィナーのハー・トゥアン・ミン会長 兼 社長は、「ウィー・ラブ・ツアーが契約を履行せず、期限の1月31日までに代金を支払わなかったため、両社間の契約は既に終了したとの認識だ。当社が見積書を送った台湾の観光客グループは、今回の300人近い観光客とは別の人々だ」と説明した。
同氏はまた、「立ち往生した台湾人観光客を人道的な理由で支援した当社を処分するのは理不尽」と強い態度を示し、同局の対応が同社の尊厳を損ないかねないとし、これを不服として抗議する構えを示した。