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地場大手飲料メーカーのタンヒエップファット商業サービス社(Tan Hiep Phat)のチャン・クイ・タイン会長 兼 社長(男・70歳、東南部地方ビンズオン省在住)およびその娘であるチャン・ウエン・フオン副社長(女・42歳、同)とチャン・ゴック・ビック副社長(女・39歳、同)の3人が、「信頼を悪用した資産横領容疑」で起訴された。公安省が10日に明らかにした。
3人のうち、タイン容疑者とフオン容疑者の2人は公安省傘下の捜査警察機関(C01)によって逮捕され、ビック容疑者は在宅起訴された。C01は10日午後、3人のオフィスと自宅合わせて9か所の立ち入り検査を一斉に実施し、多数の証拠物件を押収した。
警察によると、ホーチミン市と東南部地方ドンナイ省の複数の人物が2021年に、資金貸し出し・不動産案件取引に関してタイン親子が「信頼を悪用した資産横領行為」「詐欺・資産横領行為」「脱税行為」「資産強奪行為」を行ったとして告発した。
不動産デベロッパーのキムオアインドンナイ開発投資(Kim Oanh)も、被害に遭った1社だ。同社の責任者によると、資金借り入れを希望していたキムオアインドンナイはタンヒエップファットとの間で契約を締結した。しかし、違法な高利貸しであることを隠蔽するため、「不動産案件購買契約を装った金銭貸借契約」の形で契約が交わされた。
この金銭貸借契約では、キムオアインドンナイの保有する不動産案件が担保資産とみなされていた。契約締結の時点で、担保となる不動産案件の実際の価値は借入金の何倍にも上っていた。タイン親子はその後も、キムオアインドンナイによる支払いの受け取りを拒否し、不動産案件を占有し続けているという。キムオアインドンナイは、タイン親子の行為により同社は1兆VND(約57億円)の損失を被ったと主張している。
タンヒエップファットは、コカ・コーラ・ベトナム(Coca-Cola Vietnam)やサントリーペプシコ(Suntory PepsiCo)などの外資系企業と肩を並べる飲料メーカー。人気ブランドとして、清涼飲料「緑茶0度(Tra xanh 0 do)」や「ドクター・タイン(Dr. Thanh)」、エナジードリンク「ナンバーワン(Number 1)」などが挙げられる。
同社は、タイン会長一家が完全に保有するファミリーカンパニーで、飲料事業で安定した高収益を上げている。一家は2018年に不動産市場への進出を果たし、不動産案件の合併・買収(M&A)にも注力してきた。