(C) thanhnien 写真の拡大. |
ベトナム人民軍の軍医学院と地場ベトアー・テクノロジー・コーポレーション(Viet A Technology Corporation、ホーチミン市)から成るコンソーシアムによる新型コロナウイルス検査キットの研究開発(R&D)、評価、流通認可、価格設定、購買調達に関する汚職事件で、公安省傘下の捜査警察機関は11月30日、副首相補佐官のグエン・バン・チン容疑者(男)を新たに逮捕した。
チン容疑者は自身の立場を悪用して保健省傘下の機関や責任者に対し、規定に違反しベトアー社の新型コロナウイルス検査キットの流通認可を行わせたとされる。これにより、刑事法第356条に抵触し、公務執行にあたり役職・権限を乱用した容疑で捜査を受けている。容疑者の直属の上司である副首相の氏名は明らかにされていない。
同事件では、ベトアー社が検査キットの製造に用いられる原材料や機械設備の価格を水増しする形で生産コストを詐称し、不当な高値で販売した。2020年4月に保健省から流通認可を取得し、2020年から2021年にかけて製品を販売し、売上高は4兆VND(約220億円)に上った。不当な価格に同意した見返りとして、疾病管制センターの長などに合わせて約8000億VND(約44億円)の賄賂を渡していた。
なお、事件が発覚した2021年12月以降に逮捕された容疑者の数は100人近くに上る。逮捕された容疑者には、ベトアー社の役員のほか、元科学技術相で逮捕までハノイ市共産党委員会副書記 兼 人民委員会主席を務めていたチュー・ゴック・アイン容疑者や前保健相のグエン・タイン・ロン容疑者をはじめとする科学技術省と保健省の複数の幹部や、多くの省・市の疾病管制センターや公立病院の幹部などが含まれる。