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14日昼頃に発生した台風5号(アジア名:ソンカー、日本では台風19号)の影響による豪雨に見舞われた南中部沿岸地方ダナン市は、1兆4800億VND(約90億円)相当の物的被害を受けた。
これは、グエン・スアン・フック国家主席が被災地を視察した際に、同市人民委員会のレ・チュン・チン主席が報告したもの。フック国家主席は19日午後、レ・バン・タイン副首相と共に同市を訪れ、倒壊した民家や道路などの現場に足を運んで状況を確認し、被災した市民らを慰問した。
14日午後6時から15日午前3時までの間に観測された雨量は780mmに達し、記録的な雨量となった。これが高潮と相まって、全7区・郡の56村・街区のうち52行政区が冠水したほか、家屋数軒が完全に倒壊し、数十軒が損壊、約7万軒が浸水した。また、自動車約2000台とバイク約3万台が水に浸かって故障した。
74ha以上の農作地が冠水し、6万以上の家畜・家禽が流された。2630か所以上の変電所にトラブルが発生し、全市の電力契約者の59%に相当する約20万8000の顧客が停電の影響を受けた。人的被害については6人が死亡した。
民家や企業、教育施設などでは家財や原材料、機械設備、教具などが流されたり水に浸かったりしたほか、多くの道路が浸食され、市内最大規模の墓地であるホアソン(Hoa Son)墓地の約610の墓が土砂の下敷きになった。
同市の下水道システムの排水能力は1時間当たり約30~50mm程度に留まっており、今回のような雨量には対応できていないのが現状だ。フック国家主席は、人的被害を抑えたことを評価する一方、下水道システムの排水能力の増強や、緊急事態の予測・対応の改善の必要性を主張した。