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ベトナム人画家レ・ティ・ルウ(1911~1988年)の絹絵作品「母と子(Mere et enfant)」が、21日にオンライン上で開かれた国際競売会社サザビーズ(Sotheby’s)のオークションで、落札予想価格の8倍に相当する57万3925USD(約7350万円)で落札された。20世紀のベトナム美術専門のオンラインオークションに出品された49点の作品の中で最高値だった。
この作品は1960年代に制作されたもので、画面中央に赤ちゃんを抱いた母親が描かれ、両脇に花瓶が配置されている。母親は青い帽子と白いドレスを身に着け、赤ちゃんのオレンジ色の服が印象的だ。レ・ティ・ルウは1940年に夫と共にフランスに移住しており、この作品は故郷で暮らす家族に対する画家の思いを伝えているとみられている。
美術研究者のゴ・キム・コイ氏は、落札額は作品に見合った水準で、将来はさらに高値になると予想している。
レ・ティ・ルウは1911年に北部紅河デルタ地方バクニン省で生まれ、14歳から画家への道を志した。1927年(16歳)にインドシナ美術学校に入学。1930年(19歳)に学校の展覧会で油絵作品2点を展示した。1932年に同校を首席で卒業し、複数の学校で教鞭を執った。1940年にフランスの首都パリに移住。1950年代にベトナム文化をテーマにした絹絵作品を多数制作した。その後、フランスの学校で教員となり、1971年に引退してフランス南部に移り住み、余生を送った。