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東南部地方タイニン省には、お金を使わない奇妙なバザーがある。ここでは、来訪客が現金の代わりに葉っぱで商品を購入する。
このバザーは、ホアタイン郡(huyen Hoa Thanh)に住む医師ブイ・クオック・タイさんが約10年前に始めた慈善イベント。年に1度、旧暦の1月に開催されており、開催場所は年によって異なるが、主に居住区内や寺院、伝統的市場の周辺などだ。
古き良き南部の伝統的な市場をイメージしたこのバザーでは、売り手が場内に屋台を並べ、おこわやぜんざい、果物、豆乳などを売る。商品には価格が付いておらず、バザーを訪れる客は持ち寄った葉っぱをお金の代わりに支払い、売り手と買い手が互いに笑顔で感謝の言葉をかけあう光景が場内のいたるところで見られる。
お金は生きていく上で必要なもの。しかし、所詮お金は単なる紙切れで、葉っぱと変わらない無価値なもの。人間にとって大事なのは互いに関心を持って助け合うこと。それがこの“葉っぱバザー”が広めたいテーマだ。売り手が笑顔で食べ物や飲み物を無償で提供することから“仏様のバザー”とも呼ばれている。