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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界的に拡大している中、流行国または流行国経由で第三国からベトナムに入国したり、搭乗した航空便に感染者が確認されたなどの理由で隔離対象となった外国人観光客が大勢いる。
ベトナムでは、一部のホテル・リゾートが、隔離措置を適用され、楽しみにしていた旅行が台無しになってしまった外国人観光客を受け入れて「無料サービス」を提供している。
南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市にある5つ星ホテル「ホア・コー・ビラ(Hoa Co Villa)」もその一つだ。同ホテルは12日から、隔離対象となった多くのヨーロッパ人を受け入れている。隔離対象者は敷地外に出ることを禁止されているが、ホテル内の施設なら思う存分利用が可能だ。
ベルギー人のヤン・ブライエンバーグさんは、「定年退職となった友人同士でベトナムを旅行し、ハノイ、フエ、ダナン、ホイアン、ホーチミンを周った後、カンボジアに渡ってプノンペンから帰国する計画だったが、途中で隔離措置を受けることになって、みんながショックを受けた」と語る。
当初はがっかりしたブライエンバーグさんだが、隔離措置が始まって以降、ホテルのプールで泳いだり、穏やかな時間をボーっとして過ごしたり、何不自由ない生活を送っている。同氏は「ここは気候もいいし、食事も最高。施設は欧州よりも良いのに、全てが無料。特別な思い出になったよ。このベトナム旅行は一生忘れられない」と感想を述べた。
定年退職後もベルギーで記者として活躍しているブライエンバーグさんは、「ホテルオーナーのグエン・タイン・サンさんに心から感謝する。人情味に溢れたホテルとオーナーの話をベルギーの新聞で記事にして紹介するつもりだ」と続けた。
東北部地方クアンニン省ハロン市(TP Ha Long)にあるホテル「バオミン・ラディアント(Bao Minh Radiant)」も、2月上旬から外国人の隔離のため、地方自治体に施設を提供している。これまでに外国人157人(主に韓国人)を受け入れており、その殆どが同省バンドン国際空港に到着して隔離対象になった人々。ここでも宿泊料と食事代は全て無料となっている。
ホテル運営会社の代表者らは、「ベトナム旅行が台無しになってしまった外国人観光客のために、自分たちが出来ることで彼らの損害を補償したい」とコメントした。新型コロナウイルス終焉後のことを見据えて、今からベトナム旅行のイメージアップに努めたい考えだ。