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絶滅危惧種の動物「サオラ」とみられる個体の映像が、北中部地方クアンビン省にある世界自然遺産フォンニャ・ケバン国立公園の緩衝地域(バッファゾーン)と核心地域(コアゾーン)の隣接エリアで撮影された。
フォンニャ・ケバン国立公園管理委員会は4日、同国立公園の科学研究グループが設置したカメラにサオラとみられる個体の姿が映っていたことを明らかにした。ベトナムの専門家によると、映像の分析からこの個体は90%の確率でサオラだという。
研究グループは引き続き証拠を集めるとともに、撮影された地域の保護措置を展開している。
「ブークアンオックス」や「ベトナムレイヨウ」とも呼ばれるサオラは、約50cmの長い2本の角を持つウシ科の動物で、ベトナム西部からラオス東部にかけての森林などに生息している。1992年5月にベトナムで初めて発見されたが、捕獲が極めて難しいため、「幻の動物」とされている。
最後に生体が捕獲されたのは2010年8月、ラオスでのこと。しかし、サオラの専門家が少ないことや特別な世話が必要なことから、捕獲できても長く生きられず、この時もラオス政府が組織した専門家が現地に到着する前に死亡したという。
直近では、2013年9月に世界自然保護基金(WWF)とベトナム森林保護局が南中部沿岸地方クアンナム省のアンナン山脈の山中に設置したカメラで生きたサオラの姿が15年ぶりに確認されている。