メコンデルタ地方ビンロン省で13日、若手警察官が公務執行中に麻薬を誤飲して精神錯乱を起こし、救急搬送先の病院で応急処置を拒否され死亡する事件が発生した。
死亡したのは同省ロンホー郡麻薬経済犯罪警察部の警察官だったグエン・ドゥック・ダット少尉(男性・26歳、同省ビンロン市在住)。ダット少尉は同日、他の警察官と共に同郡で麻薬密売事件を摘発する任務についていたが、途中で喉が渇いたためコップに入った水を飲んだ。
水を飲んだ後、気分が悪くなり自分の症状に気づいたダット少尉は他の警察官に手錠をかけてもらい、家族への連絡を頼んだ。その後、精神錯乱を起こした状態でビンロン省総合病院に救急搬送されたダット少尉に対し、医師は「急性精神病」と判断し応急処置も施さず、精神病院への転送を求めた。
ダット少尉は同病院から5km離れた精神病院に転送されたが、完全昏睡、心肺停止、無呼吸の状態だったため、ビンロン省総合病院に戻され、ようやく応急処置を受けたが同病院で死亡が確認された。
ダット少尉が現場で飲んだコップの水は、メタフェタミン(結晶状の薬物)を溶かした溶液だったことが確認されている。
最初に応急処置を施さなかった理由について、ビンロン省総合病院の医師らは「精神科がないため」と説明した。これについて同省保健局は調査に乗り出し、違反が発見された場合、業務に当たった医師らを処分することを明らかにした。