公安省は1月30日、「臨時ベトナム国家政府(Chinh phu quoc gia Viet Nam lam thoi)」をテロ組織として扱うことを明らかにし、人々に対して同組織に協力しないよう求めている。
これにより、同組織への参加、広報、勧誘、扇動、融資のほか、同組織から融資を受けたり、同組織が主導する活動に参加するなどのあらゆる行為は「テロ支援」として扱われ、関与した者は厳格な処分を受けることになる。
「臨時ベトナム国家政府」の前身は「新民主(Tan dan chu)」という政治組織で、1991年に米国で設立された。米国在住のダオ・ミン・クアン(男・63歳)が「首相」を名乗っている。
同組織は、設立後より香港や東南アジアにあるベトナム人難民キャンプからメンバーを募って母国へ送還し、テロ活動を行っている。2015年には、ベトナム国内に拠点を置くための土地調査や武器購入などの動きが発見されている。
同組織はその後、公的資産の破壊や要人暗殺などの目的で「フオンホアン(Phuong Hoang=鳳凰)」や「マンサー(Mang Xa=ピュートーン)」、「ビエットドンクアン(Biet Dong Quan=特別任務部隊)」、「ダイベト(Dai Viet=大越)」といった複数の部隊を発足して活動を広げている。
同組織が行ったテロ活動として、2017年4月上旬に東南部地方ドンナイ省ビエンホア市にある同省公安局の倉庫が放火された事件や、同月下旬にホーチミン市タンソンニャット国際空港に爆弾が仕掛けられた事件などが挙げられる。
倉庫放火事件では、倉庫が全焼した。一方、タンソンニャット国際空港のテロ事件では、駐車場と国際ターミナルの2か所に爆弾が仕掛けられ、うち国際ターミナルの爆弾が爆発しD9ゲートが炎上した。いずれも怪我人は出なかった。