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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男(キム・ジョンナム)氏が13日に滞在先のマレーシアで殺害された事件を受けて、ベトナム公安省は同氏の殺害容疑で逮捕された「Doan Thi Huong(ドアン・ティ・フオン)」名義の旅券を所持していた女の身元確認を行っている。
ただし、公安省は20日現在、マレーシア警察から捜査協力の要請を受けていないという。マレーシア当局は今回の事件を「深刻な事件」として取り扱っているため、駐マレーシア・ベトナム大使館も同容疑者と連絡を取ることが認められていない状況だ。
マレーシア警察が公表した、同容疑者が逮捕時に所持していた旅券の映像によると、「ドアン・ティ・フオン」という人物は紅河デルタ地方ナムディン省出身で、1988年生まれの29歳だという。
「ドアン・ティ・フオン」の実父は地元紙の取材に対し、「メディアで公開されている写真は娘に酷似している」とした上で、「娘は内向的な性格で、人を殺すなどということはまずできない。やったとすれば、誰かに騙されたからだろう」とコメントしている。
「ドアン・ティ・フオン」は、地元の高校を卒業した後、ハノイ市の薬科専門学校に進学。卒業後も地元には帰らず、出稼ぎをしていたという。父親は、「ハノイ市に住んで仕事をしていると話していたが、住んでいるところや仕事については教えてくれなかった。家は貧しく、妻も2年前に病気で亡くなり、私も傷病兵で健康状態が悪いため、ハノイ市まで行って娘の状況を確かめることもできなかった」と語る。
地元紙によると、5人きょうだいの末っ子である彼女は、家族にお金を渡したり求めたりすることもなかったという。一方、一部では家族が同容疑者にお金を渡していたとも報じられている。2~3か月に1度のペースでナムディン省の実家に帰っていたが、友人を連れて帰ったことは一度もなく、外出することも少なかった。直近では、2017年のテト(旧正月)にあたる1月25日から29日まで実家に帰っていたが、家に引きこもり、親族や友人にも会わなかったという。