(C) vnexpress |
タイランド湾海域で11日、メコンデルタ地方キエンザン省の漁船6隻が正体不明の高速船に発砲され、乗組員1人が死亡し、2人が負傷した事件で、タイ海上警察はベトナム漁船に発砲したことを認めた。
乗組員によると、高速船はタイの国旗を掲げ、船体に「タイ警察」の文字と「528号」の数字があり、タイ人と見られる10人が乗っていたという。乗組員数人が一時的に身柄を拘束されたが、死亡者が出たことを受け、その後釈放された。
タイ海上警察は、発砲を認める一方で、「発砲は正当防衛だった」としている。同国当局によると、マレーシアに隣接するタイのナラーティワート県から40km沖のタイの海域に侵入、座礁したベトナム漁船1隻を処分しようとタイ人警察官1人が乗り込んだところ、他のベトナム漁船5隻に取り囲まれ、ベトナム漁船が体当たりしようとしたため、止むを得ず発砲したという。
タイ側の責任者は、「高速船に乗ったタイ人警察官は10人だったのに対し、ベトナム漁船は6隻で、それぞれに乗組員約20人が乗っていた上、乱暴な行動を取った。正当防衛として威嚇発砲したことは確かだが、ベトナム人乗組員を殺害するつもりではなかった」と説明している。
これに対しベトナム側の責任者は、「ベトナム漁船から体当たり攻撃を受けたことが事実だとしても、タイ海上警察の高速船は漁船の5~6倍のスピードで、武器も装備している。『止むを得ず発砲した』との説明には納得できない」と反発している。