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4日午後2時ごろ、東南部ドンナイ省ビエンホア市ビンダー地区にあるタムヒエップ交差点で「タイガービール」1500ケースを載せたトラックが交差点を曲がる際にバランスを崩し、大量のビールケースが道路に散乱した。幸い怪我人は出なかったが、数百人もの通行人や近隣住民らが争うようにビールを掻き集めて持ち帰るという恥ずべき暴挙に出た。
大きな音がして、トラックの荷台から大量のビールが道路に散乱すると、あれよあれよという間に野次馬が集まってきた。彼らは、運転手を手伝おうともせずに、散乱したビールを我が物顔で持ち去っていった。運転手は泣きながら必死にビールを守ろうとしたが、それを無視して略奪は続いた。荷台に残されたビールを運び出した者もいれば、どこから持ち出したのか、カートを使ってビールを運んでいった者もいた。
この様子を映したビデオがネット上に投稿され、ビールを盗んでいった者達への非難の声が高まっている。これまでにも、通行人らがどさくさに紛れて事故被害者の金品などを奪う事件が度々起きているものの、今回の略奪行為は「国民のモラルの低さが露呈した」と言われても仕方がないものだった。ネット上では、海外のユーザーからも厳しい批判の声が相次いでいる。今回は、証拠となるビデオが残されているため、警察はこれを元にビールを盗んだ者たちの身元を調べ上げ、窃盗などの容疑で逮捕する構えを示している。
なお、警察は既に数人の容疑者の身元を確認し、奪われたビールの一部を回収した。奪ったビールの総額が200万ドン(約9800円)以上の場合は、刑事事件として立件する方針だという。