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この推論に従えば、ベトナム人の悪習の多くは「社会制度の誤り」の結果、生じたものだといえる。誤った制度で運営されている社会に適応しているだけ、という訳だ。
こうした現状を変えるには、末端の変化から制度の変化に至る方法と、逆に制度を変更して末端に広げる方法の2つの道がある。どちらが現実的かといえば、まず制度や法律を変える方だろう。
我々にはバオカップ時代の前例がある。あの当時、国営デパートの販売員に熱心に礼儀正しい態度で接客するよう求めることは不可能だった。バオカップを終わらせ、自由経済に制度を変更し、競争とブランドを重視する時代になると、同じ販売員が客を笑顔で迎え親切に応対するようになった。こうしなければ顧客を維持することができないからだ。
制度の誤りはベトナム人が背負った大きな課題だが、これを直せば今の悪習も変わっていくだろう。小手先の手直しをするだけでは事態は改善しない。では正しい制度とは何か。私は「公平な競争経済」、「清廉な政治」、「厳格かつ明確な法律」だと考える。