ホーチミン市はバングラデシュのダッカ、中国の深セン市や広東省、タイのバンコク、ミャンマーのヤンゴンと並んで、気候変動の影響に最も脆弱(ぜいじゃく)な10都市のうちの一つだという。この見解は、資源環境省がパリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)の報告を引用しつつ、6月5日の世界環境デーに向けて発表したプレスリリースによるもの。
ホーチミン市のピーク時の潮位は過去2年間上昇を続けており、昨年12月には1.55メートルにまで上昇。半世紀にわたる期間内において記録的上昇となった。同市当局は、この現象を気候変動の影響によるものとして危ぐしている。声明によると、同市人民委員会のレ・ホアン・クアン主席は関係当局に気候変動の影響を調査するよう指示し、6億4000万米ドル(約614億円)規模の洪水対策計画を認可したもようだ。
国連開発計画(UNDP)の2007~2008年人間開発報告書によると、ベトナムは気候変動に最も脆弱な4カ国のうちの一つ。地球の海流温度が上昇すれば、その海水位は2100年までに1メートル上昇すると予測されている。これによってベトナムの国土の5分の1が浸水し、2200万人が家屋と農地を失うという。
ベトナム水文気象学環境機構によると、ホーチミン市、ブンタウ市、その他多くの地域の平均気温は1960年以来、摂氏2度上昇しているという。また海水位も同様に著しい変化を示しており、過去10年間で20センチ上昇しているという。