資源環境省と公安省環境警察局の合同調査団はこのほど、東南部ドンナイ省ロンタイン郡のティバイ川流域に工場を構える台湾系ベダン社(Vedan)が、未処理排水の一部を毎日直接ティバイ川に垂れ流していたとして摘発した。同社の排水システムは当局に報告された内容と異なり、環境保護法に違反していた。
ベダン社は1994年から同地でうまみ調味料などの生産を行っている。2006年に地元住民からの「工場付近の川の水が赤茶色を帯び、泡立って異臭がする」との度重なる訴えを受け、地元の環境当局が調査したが違反は発見されなかった。しかし環境警察局によると、同社は過去にも排水処理に関する違反行為で行政処分を受けているという。同局は今回の違反について同社を刑事起訴することも視野に入れているが、処分の最終判断は資源環境省との協議で決定される。
ティバイ川は長さ約80キロメートルで、東南部のホーチミン市、ドンナイ省、バリア・ブンタウ省を流れる。流域にある多くの工場から長年にわたり大量の排水が直接垂れ流され続けており、水質汚染が深刻化している。