メコンデルタ地方ベンチェ省の多くのココナツ園では、台風9号の通過後、農園主も含めすべての入園者にヘルメットの着用が義務付けられている。なぜなら樹上から落ちてくるココナツの実が頭を直撃する危険があるからだ。このような現象はこれまでには見られなかったことだという。
原因は台風の暴風でまだ熟していなかったココナツの実が損傷を受けたためだ。すぐに落下はしなかったものの、その後枯れて徐々に実が落ちるようになった。同省モーカイ郡だけでも落下したココナツの実が頭に当たって救急病院に運ばれた例が、短期間で10件にも上っている。
台風9号により同省のココナツ園約2万1000ヘクタール(省全体のココナツ園の約60%)が大きな被害を受けた。回復には2~3年かかる見込みだ。