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ホーチミン市警察刑事警察部(PC02)は10日夜、同市5区チャンビンチョン(Tran Binh Trong)通りにあるビラ式住宅から20億VND(約1090万円)余りを奪ったとして、家政婦2人と親戚グループを逮捕した。容疑者らは、監視カメラの前で強盗が押し入る演技をして金を持ち去ったが、警察はすぐに演技だと見抜いた。
逮捕されたのは、◇レ・ティ・ズー(女・72歳)、◇ダオ・ティ・ズン(女・52歳)、◇レ・ミン・チュン(男・37歳)、◇レ・ティ・ホン(女・35歳、いずれも南中部沿岸地方ニントゥアン省在住)、◇レ・ホアン・カイン(男・42歳、南部メコンデルタ地方ビンロン省在住)、◇グエン・クオック・タイ(男・28歳、同バクリエウ省在住)の6人で、いずれも強盗容疑で捜査を受けている。
もう一人の容疑者ブイ・ティ・タイ(女・26歳)も一時身柄を拘束されたが、妊娠しているため、保釈された。
警察の調べによると、ズー容疑者はこの住宅 兼 オフィスで22年以上も家政婦として働いていた。孫娘のホン容疑者も同じく、ここで家政婦をしていた。長年働いていたため、建物を隅から隅まで熟知していたズー容疑者は、大金が置かれていると知り、家に帰って親戚らと強盗計画を練った。
容疑者らはナイフやハンマー、カバンなどを準備し、計画実行に相応しい時期を待った。4月9日夜、主人が食事に出かけて、家の中に息子S君(14歳)と家政婦2人だけになったタイミングを見計らい、ズー容疑者が実行を指示。
建物の外で待機していた強盗役の2人が配達人のふりをしてベルを鳴らした。この時、他の2人の容疑者は周囲を見張っていた。ベルに対応したホン容疑者がドアを開けると、強盗役がホン容疑者を脅すふりをして建物に侵入。さらに強盗役はS君にナイフを突きつけて、「死にたくなければ金のありかまで案内しろ」と脅迫。
オフィスがある1階の部屋に移動した容疑者らは室内を物色し、お金のありかを発見。キャビネットを壊して多額の現金(約20億VND)と携帯電話を奪って逃走した。
通報を受けたホーチミン市警察刑事警察部は、地元警察と協力して現場検証を行い、証拠品を回収、監視カメラの録画データも調べ上げた。警察は専門的な調査の結果、ズー容疑者らが結託して強盗を演じたと断定。捜査開始から僅か2時間のスピード解決となった。容疑者グループを特定した警察は、潜伏先の同市ビンタン区アンラック(An Lac)街区のホテルを立ち入り検査し、容疑者らを一網打尽とした。
警察は監視カメラの映像から、犯行にかかった時間を割り出し、あまりにも手際が良すぎることを疑問に思ったという。捜査官は、「大きなビラ式住宅なのに、主人が外出したわずか10~15分で金のありかを探って怪我人も出さずに奪い取った。そこから、事前に金のありかを知っていたのではと疑い、家政婦を尋問して、今回の犯行が明らかとなった」と語った。