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南中部高原地方ザライ省イアグライ郡イアデル村(xa Ia Der, huyen Ia Grai)で20日15時頃、地元警察と救急隊員が総勢15人がかりで5時間にわたり電柱の中にはまって出られなくなっていたフォンくん(8歳)を救出した。
フォンくんは同日10時頃、自宅から60m程離れたところで地中に垂直に埋まっていた電柱(直径30~35cm、長さ1m超)にすっぽりはまってしまった。お昼になり泣き声を聞きつけた家族がフォンくんを発見し通報した。
救急隊員らは電柱の周囲の土を電柱の土台部分まで掘り、フォンくんに刃が届かないよう慎重に切断機で電柱を切った。作業中はポンプでフォンくんに酸素を送り、呼吸をサポートした。
フォンくんは母親の手術のため両親が1週間ほど前から南中部沿岸地方ダナン市へ行っており、双子の兄と一緒にイアデル村の親戚の元へ預けられていた。フォンくん兄弟は毎朝家から60m程離れた近所の子供たちのところへ行き、サッカーや木登りなどをして遊んでいた。
ところが、この日は別の子供たちが家の前で各々大人しく休んでいたところ、フォンくんは上部が切断され地上から25cmほど露出していた電柱の辺りで1人遊んでいた。空洞になっている電柱を覗き込んだフォンくんは電柱の底にある塩ビパイプを見つけた。パイプを足で挟んで取ろうとフォンくんは電柱の中に足を伸ばしたところ、思いがけず身体が電柱にはまってしまった。
子供たちはフォンくんを引っ張り助けようとしたが上手くいかなかった。その後、大人たちも食油を流して滑りを良くし救出を図ったが、2時間経ってもフォンくんを助け出すことはできず救急隊に救出を要請した。
この電柱は110kVの送電に2001年から使用されていたが、2016年に地域一帯の電力供給の改善工事が行われたことで不要となり、上部の3分の1が切断された。しかし、工事の投資主である電力会社とその後の管理を請け負っている電力会社との連携不足により、切断された電柱が長きにわたり放置されていた。
5時間の救出劇の後、フォンくんは村の保健センターへ搬送されたが、健康に別状はないという。