(C) vnexpress, 左:ハー容疑者、右:ホア容疑者 写真の拡大. |
東南部地方ビンズオン省バウバン郡フンホア村にある住宅で15日に樹脂性給水タンク2本からコンクリート詰めされた人間の遺体が見つかった事件で、同省警察は17日深夜、容疑者の女4人を逮捕した。
逮捕されたのは、主犯格のファム・ティ・ティエン・ハー容疑者(31歳、ホーチミン市出身)、ハー容疑者の母親であるチン・ティ・ホン・ホア容疑者(66歳、同)、レ・ゴック・フオン・タオ容疑者(29歳、メコンデルタ地方ティエンザン省出身)、レ・フー・ハイン容疑者(54歳、ビンズオン省出身)の4人。
容疑者4人は現場から約50km離れたビンズオン省の省都トゥーザウモット市ティアモ・フーティン住宅区にあるホテルから車に乗って逃走しようとしていたところを警察に逮捕された。
これに先立ち、ビンズオン省警察は公安省と協力して容疑者を特定し、指名手配して国民に情報提供を呼びかけた。これを見たホテルのスタッフが警察に通報し、警察が到着するまで住宅区の警備員の協力を得て車に乗った容疑者4人の逃走を阻止した。
主犯格であるハー容疑者は短髪でタトゥーを入れている。英語、中国語、日本語が堪能で、日本で働いたことがあり、ホーチミン市10区にある有名なカフェを営んでいた。
4人はとある新宗教(「法輪功」との報道もある)のメンバーで、ハー容疑者の指導のもとで修行を続けていた。警察は現場で経典や宗教に関する資料の複写などを押収した。隣人によると、女らは尼のような服装をしていたという。
ハー容疑者は母親であるホア容疑者を説得してホーチミン市にあった住宅を売却し、修行用の資金を調達した。警察は4人の乗った車から金30テール(1テール=37.8g)、2万USD(約220万円)、3億VND(約140万円)を発見・押収した。
被害者の男性2人の身元も判明した。現場の寝室に置かれた給水タンクから見つかった遺体はチャン・チー・タインさん(ホーチミン市出身)のもので、現場近くの芝生に捨てられていた円柱形のコンクリートの塊から発見された遺体はチャン・ドゥック・リンさん(北中部地方ゲアン省出身)のものだった。現場となった民家は、最近までハー容疑者が偽造の身分証明書で賃借していた。
警察の取り調べによると、容疑者らはグループで2018年12月に東南部地方バリア・ブンタウ省スエンモック郡にあるヴィラを借りて修行していた。その際、被害者の1人であるリンさんは、規定を守らなかったためハー容疑者とタオ容疑者の2人と喧嘩になり、飛び降り自殺したという。
容疑者らは、リンさんの遺体をエアコンの効いたヴィラの室内で保管し、1週間後に修行を終えてから現場の民家に移したと供述。悪臭が修行の妨げになるとして、腐敗防止のために遺体を茶と共に給水タンクに入れ、表面をセメントで塗り固めた。
しかし、リンさんが自殺したとの容疑者らの供述に対し、警察はリンさんに首を絞められた形跡があることから、絞殺された可能性が高いと見ている。
グループはその後も民家で修行を続けていたが、唯一の男性メンバーだったタインさんが女性メンバーらの就寝や入浴を覗き、断食に関する規定も守らなかったため、ハー容疑者とタオ容疑者の2人がタインさんを部屋に監禁し、「鍼灸を行う」と嘘をついて電気ショッカーで彼に電気ショックを与えて気絶させた上、紐で首を絞めて殺害した。
数日後に遺体が悪臭を放ち始めたため、今度は給水タンクに遺体をコンクリート詰めすることにした。タインさんの遺体にある刃物で刺された形跡については、「(遺体が)膨れたため、刺して空気を抜いた」と供述している。
警察は他に共犯がいるか捜査を急いでいる。