(C) vnexpress, 救急車ドライバーのチャン・バン・ダイさん 写真の拡大. |
受験生の息子を持つ母親のタムさんは20日朝、息子と共に大学の第1次入学願書を提出するため、北中部ハティン省からハノイ市まで350km余りの道のりを移動した。よほど急いでいたのか、その移動手段は、なんと救急車をチャーターしてというから驚きだ。
115ハティン救急センターの救急車ドライバーをしているチャン・バン・ダイさん(男性・31歳)によると、20日の午前10時頃、タムさんから「急ぎの用事があるから、息子と私をハノイまで連れて行って欲しい」と連絡があった。その時彼は、ハノイに誰か急病の人がいて、迎えに行くため急いでいるのだろうと思った。
救急車でハノイに向かっている間も、タムさんはせわしなく、しょっちゅう電話をかけていた。息子の方はというと、「あとどれぐらいで着きますか?」と何度も尋ねてきた。タインホア市(北中部タインホア省)まで来たところでようやく、親子が大学の入学願書を提出するために救急車を呼んだのだと分かったという。
タムさんの息子は、全国高校卒業・大学入学統一試験で25.75点を獲得し、この点数なら選考に通るだろうと見込んで、一旦は治安学院に願書を提出した。しかし、応募者が非常に多いことを知り、締切間際になって、出願先をハノイ工科大学に変更することに決めた。※ベトナムでは、願書(原本)が1通しかないため、一度提出して出願先を変更するときは、改めて取りに行かなければならない。
ダイさんにとって本来の職務ではなかったが、それでも約5時間、救急車を走らせて目的地まで親子を連れていき、入学願書の手続きが完了するのを待ち、ハティン省まで送り届けた。因みに、運賃は480万VND(約2万6000円)だった。