台湾の警察は26日、ベトナム人妻ファム・ティ・タイン・チュックさん(29歳)を殺害した容疑で台湾人の夫を逮捕した。28日付グオイラオドン紙(電子版)が報じた。
チュックさんは2003年、結婚仲介所を通じて台湾人の夫と結婚し、台湾で暮らし始めた。その後、夫婦は2人の娘を儲けたが、息子を望んでいた夫からは、頻繁に暴力を振るわれていたという。チュックさんは度々、警察に夫の暴力について相談していたが、暴力がやむことは無かった。
離婚を決意したチュックさんは12月22日、裁判所で離婚手続きを行い、夫もこれに合意した。しかし、同日、夫は妻の首を絞めて殺害し、証拠隠滅のため遺体を海に沈めた。
チュックさんの遺体は括り付けてあった重石がはずれたため、翌日になってから、近隣住民に発見された。遺体の身元確認を終えた警察はすぐに殺人事件の重要参考人として、夫の身柄を確保した。
チュックさんは、台湾人や韓国人との国際結婚が多いメコンデルタ地方出身の女性。結婚仲介所の紹介で若いベトナム人妻を捜しにやって来る外国人男性は経済的な問題を抱えているケースが多い。また、夫婦間には言語や文化の壁もあり、仮初の結婚生活は往々にして破綻をきたす。異国で若い命を散らすベトナム人妻の悲劇が後を絶たない。