公安省のハイテク犯罪特捜局(C50)は、イギリス警察の要請に応え、資産横領の疑いでホーチミン市とハノイ市在住のレー・ダン・コア、グエン・ゴック・タイン、グエン・ゴック・ラム、グエン・ディン・ギーのベトナム人ハッカー4人を逮捕した。21日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
イギリス警察によると、4人はイギリスの某企業のネットワークシステムを攻撃し、クレジットカード10万件の口座情報を盗み、これらの口座から不正に600万ポンド(約7億8000万円)を引き出した。
公安の取調べに対して、4人は犯行を認め、不正に得たクレジットカードの口座情報を利用し、オンラインでノート型パソコンなどの高額な商品を購入したほか、カードユーザーに発見されないよう、カードユーザーの口座から数回に亘り小額の金を自分が管理する知人名義のクレジットカードに送金し、その金で不動産を購入、さらには犯罪に使用したクレジットカードの口座情報をオンラインで第3者に販売したと供述している。
C50のグエン・タイン・ホア局長は、この事件は極めて悪質なものだとし早期に起訴すると明らかにした。しかし、ベトナムの現行の法規では、この事件を刑事事件として立件するには被害者を特定する必要があるが、今回の事件の被害者を特定するのは難しいだけでなく、自分の口座から資金が盗まれたことを気付いていない被害者がいることも考えられ、被疑者の起訴・処分の過程で多くの困難に直面しているという。