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5月にフランスのカンヌで開催される第76回カンヌ国際映画祭の公式選出部門のラインナップが13日に発表され、フランス越僑のトラン・アン・ユン(Tran Anh Hung=チャン・アイン・フン)監督の最新作「The Pot-au-Feu(原題:La Passion de Dodin Bouffant、英題:The Taste of Things)」がコンペティション部門にノミネートされた。
カンヌ国際映画祭で初めて上映される「The Pot-au-Feu」は、ユン氏が監督と脚本を手掛け、ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメルが出演する。1885年を舞台に料理人と美食家のロマンスを描いた作品で、美食家のキャラクターはマルセル・ルフの小説「The Passionate Epicure : La Vie et la Passion de Dodin-Bouffant, Gourmet」のドダン・ブーファンに基づいている。
ユン監督は1962年にベトナム生まれた。12歳でフランスに渡り、現在はパリ在住。1993年公開の映画「青いパパイヤの香り」で長編デビューを果たし、同映画でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)及びセザール賞新人監督賞を受賞した。また、第66回アカデミー賞外国語映画賞(第92回から国際長編映画賞に名称変更)にもノミネートされた。
このほかの監督作品には、「シクロ」(1995年)、「夏至」(2000年)、「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」(2009年)、「ノルウェイの森」(2010年)、「エタニティ 永遠の花たちへ」(2016年)がある。
なお、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門には、2018年に「万引き家族」でパルム・ドールを受賞した是枝裕和監督の「怪物」もノミネートされている。また、カンヌ・プレミア部門では北野武監督の「首」がノミネートされた。
第76回カンヌ国際映画祭は、フランス現地時間5月16日から27日まで開催される。