5月16日から27日にかけてフランスのカンヌで開催された第76回カンヌ国際映画祭で、フランス越僑のトラン・アン・ユン(Tran Anh Hung=チャン・アイン・フン)氏が監督賞を受賞した。さらに今回、ベトナム人のファム・ティエン・アン(Pham Thien An)監督がカメラ・ドールを受賞した。
(C) vnexpress、左:アン監督・右:ユン監督 |
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今からちょうど30年前の1993年には、ユン監督がカンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞。ベトナム系の監督として30年ぶり2回目のカメラ・ドールを手にした1989年生まれのアン監督が、閉幕式後にベトナムの大手ウェブメディア「VNエクスプレス(VnExpress)」のインタビューに応じた。
―――カメラ・ドールを受賞したときの気持ちを教えてください。
カンヌでの受賞スピーチは、ベトナム人としての誇りを持って母国語で話しました。 2015年に米国に移住しましたが、今もベトナム国籍です。
閉幕式が終わって記者会見後、初めてトラン・アン・ユン監督にお会いしました。お互いに受賞を祝い、ユン監督が「よくやったね。今年のベトナムは最高だよ」とおっしゃったんです。ユン監督が30年前に受賞した賞を自分が受賞できたことを、心から誇りに、光栄に思っています。
2019年にカンヌ国際映画祭でイリー短編映画賞を受賞したときと比べると、今回はさらに大きな舞台で、多くの世界的な監督やスターの目の前で受賞することができました。受賞は映画への情熱を強めるモチベーションになる一方で、次の作品へのプレッシャーも感じています。
―――ホーチミン市の大学で情報技術(IT)を学び、映画業界に足を踏み入れる前は様々な職に就いていたそうですが、監督が映画に駆り立てられる理由は何でしょうか?
私は、本能からわき起こる情熱と興味をもとに映画を作っています。(今回のカンヌに出品した)「Ben Trong Vo Ken Vang(Inside the Yellow Cocoon Shell)」の脚本の大きなアイデアはすべて、「聖なる呼び声」によるものだと思っています。その声は、社会のどの階級に属しているかに関係なく、すべての人の中に常に存在し、様々なタイミングで現れるものだと思うんです。その内なる衝動から、過去と現在の自分の経験や行動に基づいて、キャラクターを作っていくんです。私が映画に敬意を表する理由は、映画は自分の観点を最も明確に表現できるからです。