ある日には、南部メコンデルタ地方ロンアン省から夫婦がアオザイを選びに店を訪れた。2人はしばらくアオザイを選んでいたものの、ちょうど良いサイズのアオザイが見つからなかった。そこで、グエットさんは新しくアオザイを仕立てることにし、2日後に届けた。
(C) vnexpress |
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グエットさんによると、顧客の多くは宝くじ売りや雇われで皿洗いをしており、人生でアオザイを着ることなど夢にも見ていなかった女性たちだという。「他の人たちにとってはただの古着かもしれませんが、彼女たちにとっては死んでもあの世に持っていきたいと思うほど貴重な贈り物なんです。それを聞いて、胸が詰まる思いでした」とグエットさんは打ち明けた。
3月初め、トゥードゥック市チュオント街区に住むフン・ティ・トゥイ・バンさん(女性・44歳)は、3月8日の国際女性の日に着るアオザイを選ぶため、娘と孫娘を連れてグエットさんの店を訪れた。バンさん一家の経済状況は厳しく、今後の心配事も多いため、娘用のアオザイを仕立てるお金もなかった。そんな中、グエットさんの0VNDアオザイ店は、バンさん一家にとって救世主となった。
15歳のフン・ティ・アイン・トゥーさんは、好みにぴったりのピンク色の蓮の柄のアオザイを選んだ。モダンなデザインのアオザイを好んで着る若者が多いが、トゥーさんは伝統的なアオザイの店が好きなのだという。「このお店には色々なデザインのアオザイがあり、お店に足を踏み入れると、贈り主の温もりを感じるんです。今回選んだアオザイは、また別の人が着られるように、着終わったら返しに来るつもりです」とトゥーさん。