「そのときはお客さんが多かったので、彼の依頼を断ったんです。それでも彼は食い下がってどうしてもとメッセージを送ってくれました。それで、依頼を受けることにして、その日の午後のうちに手紙を完成させたんです」とタオさんは語る。
(C) vnexpress |
(C) vnexpress |
(C) vnexpress |
その数日後、タオさんは彼からのメッセージを受け取った。「母は感動してたくさん泣いていました。23年間心にしまい込まれていた気持ちを引き出してくれてありがとう」。このメッセージを読んで、タオさんは自分の仕事の意義をより強く感じた。
タオさんの「告白屋」への注文は日に日に増えているが、サービスの質を確保するため、週に3~4人からしか依頼を受けないことにしている。現在はタオさんと同級生2人の3人で対応している。
このサービスを使用したことがあるホーチミン市3区在住のグエン・ルアン・ソンさん(男性)は、最初にSNSの投稿を見たときは冗談だと思ったという。しかし、友人の話を聞いたソンさんは、この「告白屋」に依頼することにした。ソンさんは過去に2回告白して失敗していた。「あきらめきれず、タオさんに励ましてもらって再び気持ちを伝え、ついに好きな人に受け入れてもらえたんです」。
顧客と向き合う中で、タオさんが得たものは利益ではなく愛の価値だった。愛は数学の問題とは違い、答えがなく、正解も不正解もない。「人はただ人を愛する、それだけなんです。間違った愛もあるかもしれませんが、それでも人はまた人を愛する。愛は薬のようなもので、傷も癒してくれるんです」とタオさん。
ただし、告白屋は、タオさんの主な収入源ではない。タオさんは南部メコンデルタ地方ドンタップ省のドンタップテレビ局に勤めており、外部イベントで司会を務めたりもしている。タオさんは、告白屋で得た利益の10%を毎月コミュニティプロジェクトに充てるつもりだという。また、告白屋のサービスを向上し、実生活に広げていく計画だ。