カンさんは何日も考えた後、飛行機用の2種類のプロペラのパーツがぴったりだと思いついた。しかし、このパーツは古い商品である上に数も少ないため、なかなか手に入らなかった。カンさんはタイからドイツ、米国まで各国のレゴ販売店に問い合わせ、3~4か月待ってようやく「材料」を揃えることができた。
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「テトを祝う」は、合わせて約5000ピースのレゴを使い、1か月ほどかけて完成した。最初はカンさん自身が楽しむために作り始めたものだったが、今やベトナムの伝統的なテトを再現した作品として世界の人々に紹介され、海外在住のベトナム人にも故郷を思い出させる1つのきっかけとなった。
今年のテトの最新作は、ホアマイの植木だ。高さ35cmの大作で、本物そっくりに仕上がった。前の年にホアマイの枝を作った経験のおかげで、今回はわずか2週間で完成した。
ホアマイの植木に加え、カンさんは友人と協力して、ベトナムの文化を紹介・PRする目的で、「テトがくる(Tet Ve)」と題したテーマの作品も生み出した。これは、テト前のホーチミン市の一角や人々の様子をレゴで再現したもので、変電所の前で花や国旗が売り買いされるシーンを描いている。
さらにカンさんは、「なじみのもの(Nhung Dieu Quen Thuoc)」というテーマで、列車の踏切や花売りのバイク、床屋など、日々の生活に馴染んだ街角の風景を再現する作品にも着手している。
新型コロナ禍の今、カンさんにとってレゴの創作は娯楽の1つというだけでなく、他の人々に前向きな気持ちになってもらうためのツールでもある。「何にせよ、人生は楽しくなければいけませんから」とカンさんは語った。