ホーチミン市に住むグエン・ティ・ホンさん(女性・33歳)は3年前、北部紅河デルタ地方ナムディン省に暮らす父親に「どの時期に一番帰ってきてほしい?」と尋ねたところ、父親は「テトだ」と答えた。
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テトの時期は、ベトナムのどの家族も墓参りをし、寺にお参りに行ったり教会に礼拝に行ったりする。しかし、マレーシア人と結婚し9年前にイスラム教に改宗したホンさんには、それが叶わない。数年前、ホンさんの家族や親戚はそのことが理解できず、「故郷の文化を捨てて結婚した」とホンさんを非難した。
それでもホンさんは何とかテトの時期に故郷へ帰るようにしている。「父は新年に家族皆が集まることを望んでいるんです。イスラム教では両親、祖父母を支え、敬わなければならないと教えていますから、私も家族のもとへ帰ります」とホンさんは語る。
ホンさんの父親は、娘が改宗することで不自由になるのではないかと心配していた。結婚式の日、父親は娘の改宗を受け入れられず、娘が苦しむのではないかと考え、教会に逃げて泣いた。しかし、それから数年が経ち、娘の幸せそうな様子を見て、父親は安心した。
「両親はもう以前のように私を責めたりしません。でも、まだ受け入れてはいないようです。私が故郷に帰るたび、母親はイスラム教のヒジャブではなくウールのマフラーを巻きなさいと言います。私は許される範囲で母親の希望に従うようにしています」とホンさんは教えてくれた。