遺体はボランティアメンバーが市内の診療所や病院から引き取って来る。活動を始めた頃は、各所から神父が何のために胎児の遺体を集め回っているのか疑問視され、遺体の引き取りは困難をきたした。しかし、活動を続けるうちに次第に賛同を得られるようになっていったという。
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引き取られた遺体はティックさんの手によって清められてからプラスチック製の瓶や容器に納められる。そして、4m2ほどの部屋に置かれた冷凍庫2台の中に安置され、葬儀と埋葬を待つ。遺体のなかには1つの瓶に3~4体が納まってしまうほど小さい胎児もある。
「赤ちゃんの中には大きく成長している子もいて。ヒトの子らしく手足もしっかりとあって…、それなのに捨てられてしまったんだと思うといたたまれない気持ちになることもあります」とボランティアメンバーの女性。
葬儀の日を迎えると胎児はボランティアメンバーの手で教会へ移され、プラスチック容器に色とりどりの布やリボンをあしらう。しめやかに行われる葬儀では時折、参列者から胎児を憐れむ声や鳴き声が漏れる。
墓地は100m2の敷地に10基の墓石が手のひらの形に配置されている。墓地には毎日多くの人が訪れ、墓石の周りにはたくさんの花やオモチャが備えられている。葬儀と納棺を終えると、赤ん坊たちは人々の温かく愛情いっぱいの手のひらに包まれるようにして、母なる大地へと帰っていくのだ。