ホーチミン市中心部の路上には、今でも古い石炭アイロンを使った手作業のラミネート加工(ép dẻo)を生業とする2人の女性がいる。彼女たちは、同市に残る数少ないラミネート職人のうちの2人だ。
![]() (C) zing, ニュンさんとアイロン |
![]() (C) zing, ニュンさんの店 |
![]() (C) zing, フエさん |
![]() (C) zing, フエさんのアイロン |
3区のカオタン通りとグエンディンチエウ通りの交差点の角に、厳格な様子で煙の上がった鉄のアイロンを掴んでいる一人の女性がいる。彼女は30年間ラミネートの仕事を続けているレ・ティ・フエさん(55歳)。フエさんの仕事場は、近代的な機械を備えるコピー店とプラスチックラミネート店の前に置かれた粗末なブースだ。
小さな頃からのバイク修理の仕事に馴染めず、フエさんは結婚後の1985年にラミネートを勉強し始めた。作業に慣れた頃、彼女は鉄のアイロンと数枚のプラスチック板、石炭ストーブを購入し、この仕事を始めた。
初代のアイロンは内側から石炭で温めるものだったが、数年後に失くなってしまったため、現在は2枚の鉄板でできた重さ5kg近くのアイロンを使っている。このアイロンは、朝から晩まで、石炭ストーブの上で熱せられている。
フエさんの店の近くに座っている守衛のグエン・バン・ロイさん(男性・58歳)は、バイク保険を購入した後は毎回フエさんにラミネートしてもらっているという。「10年前、この仕事をしている人はたくさんいましたが、今はもうフエさんと同じように石炭アイロンでラミネートをする人はほとんどいません」と彼は言う。
ビンタイン区のソービエットゲティン通りで、53歳のチュオン・ティ・ホン・ニュンさん(53歳)は31年間、ラミネートの仕事を続けている。1984年、ニュンさんは夫と一緒に仕事を探しにホーチミン市へ来た。はじめの頃、夫と共に建設の仕事をしていたが、きつい力仕事だったため、彼女は身分証明書をラミネートする仕事に転職した。