390号戦車は、ベトナム戦争後もカンボジアや北部で国防任務に就き、1980年からは東北部バクザン省の基地で訓練などで使用されていた。1999年に戦車・装甲車博物館が開館する際に、展示物として引退することになった。展示前に2か月近くかけて、なるべく以前の姿を残す形で修理したという。843号戦車は訓練用に使用された後、1979年に軍事歴史博物館に引き取られた。
(C)VnExpress,H.P、官邸一番乗りの390号戦車 |
あれから40年が経過した2台の戦車は、戦闘任務を遂行することはもうないが、引き続き博物館を訪れる若い世代に自国の歴史を教え、民族の誇りを伝えている。最近行われた390号戦車のかつての砲手ゴ・シー・グエンさんとの交流会である若者が、「南部解放記念日に思い出されるのは戦車のことばかりで、乗員については何も言われません。悲しくないですか」と尋ねた。
グエンさんはその問いには直接答えず、「歴史は私の部隊にサイゴン一番乗りという栄光の瞬間を与えてくれました。祖国統一の瞬間に居合わせたことは、サイゴンを目指したどの部隊よりも幸運で幸せです」と語った。