2年後、77歳になったザンさんは再び登山許可を申請した。今回は年齢でサバを読んだものの、こんな高齢者が山に登るのを許可した前例がないとして首を縦に振らない。ザンさんは手足や筋肉が確かなことを、当局の幹部らを納得させてようやく許可を得た。
(C)GiadinhNet、登頂成功時のザンさん |
2007年6月27日午前8時からガイドとポーターと共に登り始め、危険な個所を乗り越えて午後5時ごろ頂上に到着した。キャンプで1泊した後、下山した。その後ザンさんは2010年と2013年にも登頂に成功。直近では今年6月12日にも成功し、ファンシーパン山の最高齢登頂者として公認された。
今回の登山では、登山靴が破れるというハプニングが起きた。予備の靴を用意していなかったため、破けた靴を足に紐で縛り付けて歩いた。下山した時には、靴は原型を留めていなかったという。
インドシナ最高峰に立つ瞬間についてザンさんは、「広大な空間の中で人間はほんの小さな存在になるが、真の達成感を得られる。どんなに疲れていても吹き飛んで、言葉に言い表せない喜びを感じる」と興奮気味に語った。
ザンさんは今も毎朝5~7kmをジョギングし、野菜や果物、魚を中心の食事をして健康に気を使っている。また、毎日5階にある自宅まで階段を50往復して鍛えている。