矯正靴の製造は全て手作業で、1足作るのに何日もかかる。障害を持つ人の条件に合わせて個別に作る必要があるからだ。「それぞれの靴は、障害者の普通に歩いてみたいという夢でもある」とティエムさん。
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ティエムさんは身体障害者で、1日の労働時間は7時間と定められている。しかし矯正靴を履いて歩きにくそうにしている子供を見ると、残業してでも作業する情熱家だ。ある時、脳性麻痺と両手両足が不自由な子供の靴を作る事になった。ティエムさんがしゃがんで靴のサイズを測るたびに髪の毛をつかまれるが、まったく気にせず笑っていたという。
ティエムさんは28歳の時にろうあの女性と結婚し、3人の子をもうけた。3人とも既に成長して仕事をしており、孫もできた。苦労の多い人生だが、自分で幸福を作り出したと言えるだろう。彼は患者のために矯正靴を作るほか、自分で自分の矯正靴も作る。2年に1回は作り直す必要があるという。ティエムさんは「これは自分へのご褒美だよ」と微笑んだ。