- コントゥム省で2日間に46回の地震発生
- 過去最大規模のマグニチュード5.0観測
- 断層や水力発電所の影響で地震多発か
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南中部高原地方コントゥム省コンプロン郡(huyen Kon Plong)で28日と29日の2日間に46回もの地震が発生した。
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ベトナム科学技術研究所(VAST)傘下の地球物理研究所が29日に発表したところによると、28日にマグニチュード2.5~5.0の地震が21回、29日午前0時から午後5時30分にかけてはマグニチュード2.5~3.8の地震が25回観測された。
このうち、28日午前11時35分に観測されたマグニチュード5.0の地震は、1903年以降に同省で発生した地震の中で過去最大規模となっている。
人的被害は確認されていないが、民家や校舎、診療所などの施設に影響が出ており、壁に亀裂が入るなどの被害が出ている。
同郡人民委員会によると、2024年に入ってからこれまでに少なくとも190回の地震が発生し、特に7月に入ってからは69回観測されたという。
1903年から2020年までの117年間に同郡で観測された地震はわずか33回だったが、2021年以降は地震発生回数が急増し、震度も大きくなっている。
コンプロン郡の地震をめぐり、地球物理研究所は地震が多発している原因について、断層や、新たに建設された水力発電所の貯水湖の水量によるものと見ている。
郡内には6か所の水力発電所があり、うち3か所(◇トゥオンコントゥム水力発電所、◇ダクドリン水力発電所、◇ダクドレー水力発電所)は貯水湖を設置している。なお、トゥオンコントゥム水力発電所については、マグニチュード7.0の地震に耐えるように設計・建設されたという。
地元当局は、貯水湖や灌漑施設など管轄地域内の施設の危険レベルを調査・評価し、安全策や防止策を実施している。
ファム・ミン・チン首相は関連機関に公電を送信し、安全策や防止策の実施を促し、影響を受ける住民、特に少数民族の支援を指導した。