南中部高原地方コントゥム省コンプロン郡(huyen Kon Plong)で23日午後2時8分から24日午前までの間に12回もの地震が発生した。人的被害は確認されていない。
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このうち、23日午後2時8分にはマグニチュード4.7の地震が観測され、過去120年間に同省で発生した地震の中で過去最大規模となっている。1903年から2020年までの117年間に同郡で観測された地震はわずか33回だったが、2021年以降は200回もの地震が発生し、震度も大きくなっている。
こうした状況を受け、ファム・ミン・チン首相は23日午後に関連省庁やコントゥム省、同省に隣接する南中部沿岸地方クアンナム省の地方自治体に公電を送信し、特に科学技術省に対し、ベトナム科学技術研究所(VAST)と協力して同地域の地震の原因と危険レベルの調査・評価を実施し、安全策や防止策を提案するよう促した。
首相は、コントゥム省とクアンナム省の地方自治体に対し、管轄地域内の状況を綿密に監視し、地震の被害状況、特に民家や貯水湖、ダムなどの重要なインフラ、水力発電所、交通・医療・教育施設への被害を確認・評価し、各種リソースを動員して影響を受けた世帯の支援と重要なインフラの被害克服を行うよう指導した。
コントゥム省当局は、トゥオンコントゥム水力発電所とダクドリン水力発電所の運営会社と協力し、新たな地震観測所を早急に追加設置しなければならない。
商工省と農業農村開発省は、貯水湖とダムの安全性に対する地震の影響の調査と評価を指導し、ダムの安全性を確保するための措置を主体的に実施しなければならない。
なお、自然災害防止国家指導委員会と自然災害対応捜索救難国家委員会は万一に備えて、捜索救難などを含め、住民の間で混乱が生じないよう地震の影響を受ける地域で適切に対応すべく積極的に指導していく。
地震が多発している原因は、新たに建設された水力発電所の貯水湖の水量によるものと見られている。VAST傘下の地球物理研究所は省内に複数の地震観測所を設置し、観測・警告と原因究明を続けている。