南中部高原地方ダクラク省クークイン郡(huyen Cu Kuin)で11日早朝、小銃などで武装した2つのグループが、エアティエウ村(xa Ea Tieu)とエアクトゥル村(xa Ea Ktur)にある共産党委員会や人民評議会、人民委員会の庁舎を併設した施設を同時に襲撃した事件は、17日までに逮捕者が62人に増えている。
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これまでに、軍用銃4丁、自作銃4丁、手榴弾2個、各種弾丸192個、刃物30本、スリングショット9個、携帯電話21台が証拠物件として押収された。当局は引き続き逃走した残りの容疑者の行方を追っている。
事件に関与した容疑者らは、海外移住と金銭の支給を条件として凶行に加担。11日午前0時35分に庁舎2か所を襲撃し、庁舎内で警察官4人(いずれも男性)を殺害、警察官2人に重傷を負わせ、火炎瓶で施設を放火した。
武装集団はその後、通報を受けて庁舎に駆け付けたエアティエウ村のグエン・バン・ズン共産党委員会副書記 兼 人民委員会主席、エアクトゥル村のグエン・バン・キエン共産党委員会書記 兼 人民評議会主席(いずれも男性)を殺害。さらに現場近くに居合わせた通行人3人を小銃や刃物、火炎瓶で襲って殺害した。地元住民3人は人質にされ、このうち2人は警察によって救出され、1人は自力で脱出した。
警察は主犯格の1人とみられるイー・トー・アユン=Y Tho Ayun容疑者(別称:アマ・クルー=Ama Kzruh)を逮捕して、取り調べを続けている。
今回の事件を受け、在外反政府組織「ベトナム更新革命党(ベトタン=Viet Tan=越新)」をはじめとする反政府組織が、SNSなどを通じて「事件の発端は地元当局が住民の土地を違法に収用したことにある」などと偽りの理論を作り出し、省当局を批判する方向に世論を誘導。反政府組織は、デマを流布して国民を不安に陥れたり、国の政策や当局の対応を歪曲したりするなどして心理戦を展開している。
SNS上では現在、合成の動画や画像、事実無根の情報が大量に投稿され、様々な憶測が飛び交っている。当局は国民に対し、インターネットなどで記事、写真、動画を閲覧したり、共有したりする前に、当該ウェブサイトやアカウントの信頼性・合法性を確認するよう勧告している。同事件をめぐって、ダクラク省警察はこれまでに、虚偽情報を投稿した100人以上を特定して罰金処分を科している。