南中部高原地方ダクラク省クークイン郡(huyen Cu Kuin)で11日早朝、ライフルなどで武装した2つのグループが、エアティエウ村(xa Ea Tieu)とエアクトゥル村(xa Ea Ktur)にある共産党委員会や人民評議会、人民委員会の庁舎を併設した施設を同時に襲撃した事件で、13日午前までに容疑者39人が逮捕された。このうち2人は自首した。
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証拠物件として、SKS(ロシア語:CKC、ソビエト連邦で開発された半自動小銃)をはじめとする兵器や凶器などが押収されている。
同事件では、複数の警察官や公務員、住民らが襲われ、このうちエアティエウ村とエアクトゥル村の警察官4人、エアティエウ村のグエン・バン・ズン共産党委員会副書記 兼 人民委員会主席、エアクトゥル村のグエン・バン・キエン共産党委員会書記 兼 人民評議会主席の計6人(いずれも男性)が殉職した。
また、地元住民3人が殺害され、警察官2人が重傷を負った。人質にされた住民3人のうち、2人は警察によって救出され、1人は自力で脱出した。
チャン・ルウ・クアン副首相は12日にダクラク省を訪れ、現場の視察や犠牲者らの遺族の慰問を行った。
トー・ラム公安相は、殉職した警察官4人の昇進を決定している。また、警察官4人を含む殉職者6人はクアン副首相の決定により烈士として認定され、6人の遺族には烈士の遺族に対する制度が適用されることになる。
警察は人民軍と協力し、引き続き逃走した残りの容疑者の行方を追っている。容疑者らの動機はまだ不明であるため、当局は報道機関に対し、情報の信ぴょう性を確認し、報道前に十分検証するよう求めている。
なお、南中部高原地方は、少数民族による反政府組織「フルロ(FULRO=Front Unifie pour la Lutte des Races Opprimes=被制圧民族闘争統一戦線)」の活動地域だったことで知られる。フルロは、少数民族が多い同地方で、独立運動を起こすべく1964年に結成された。
フルロは、ベトナム共和国(1955年~1975年に軍事境界線(北緯17度線:現在の北中部地方クアンチ省に位置)以南に存在した国家=南ベトナム)時代から独立を企てていたが、南北統一後も運動を続け、1992年に解散。組織のメンバーらは、難民として米国に移住したとされる。
その後、反政府組織「正義主張山岳地帯人民(Montagnards Stand For Justice=MSFJ)」が、フルロの元メンバーやその関係者とコネクションがある者らによって2019年に新たに結成され、現在も独立運動を続けているが、今回の事件との関連性は不明だ。