東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件に関連し、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)は捜査の結論を発表した。
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4月下旬に摘発された同事件では、ドンナイ省総合病院の幹部らが2013年から2015年にかけて、総合商社AICグループ(AIC Group、ハノイ市)やコンサルタントと結託し、医療設備器具の調達で取引価格を談合により水増しし、国に1520億VND(約8億5000万円)の損失をもたらしたとされる。AICグループは談合により12パッケージを「落札」し、契約総額は4769億VND(約26億6000万円)だった。
同事件ではドンナイ省の元トップを含め、これまでに20人以上の容疑者が起訴されている。容疑者には、同省共産党委員会のチャン・ディン・タイン元書記(男・67歳)や同省人民委員会のディン・クオック・タイ元主席(男・63歳)の省元トップ2人が収賄容疑でこれに先立つ10月に逮捕された。
ドンナイ省保健局長・同省総合病院元院長ファン・フイ・アイン・ブー容疑者(男)、元計画投資局長ボー・ゴック・トゥー容疑者(女)の元上級幹部2人も逮捕され、捜査を受けている。
捜査の結論によると、AICグループの会長 兼 社長であるグエン・ティ・タイン・ニャン容疑者は、複数回にわたりドンナイ省の幹部らに賄賂を渡していたことが確認された。このうち、タイン元書記とタイ元主席の元トップ2人はそれぞれ140億VND(約7800万円)を受け取っており、不動産投資や子供の米国留学などに使用していた。ただし、2人の逮捕後、家族は受け取った賄賂に相当する金額を捜査機関に納付した。
なお、AICグループの会長 兼 社長であるニャン容疑者は2021年6月19日に逃亡したことが確認され、今年5月上旬から指名手配されている。同容疑者は、日越間の相互理解・友好親善、投資、医療分野における交流強化のための長年にわたる献身的貢献と功績により2018年に日本政府から旭日小綬章を授与された人物として知られる。
同容疑者だけでなく、AICやその関連会社に勤めていた他の容疑者7人も逃亡している。公安省は指名手配されている8人の容疑者に対し、最寄りの警察署に出頭して自首するよう求めている。